【解説記事】高級注文住宅の業者選び

Photo: Dan Fuhrman

高級注文住宅は、そこに住うオーナーのこだわりを反映させ、自身と家族が幸せなひとときを過ごすための資産。

そのため、最高の注文住宅を建てるには、最高の設計者・施行会社を選ばなければならないのはいうまでもありません。一方で、住宅業界には信用するに値しない業者が多く存在するのも事実。少なくない資産を投じて建てる豪邸が、信用できない業者の手によって建てられれば、何年にも渡って不要なストレスを抱えることにもなりかねません。

オーナーと真摯に向き合ってくれる、信頼のおける業者はどのように選べばよいのでしょうか。
この記事では、高級注文住宅を建てる流れ(構想〜設計〜施工まで)をご説明し、それを踏まえた上で、理想とする家に適した業者の選び方をご紹介しています。
この記事を最後までお読みいただくと、豪邸を建てるまでの一連の流れがイメージできるようになります。ぜひじっくりご覧いただければと存じます。

 

高級注文住宅を建てるまでの流れ

高級注文住宅は、一般の建売の住宅と比べて、完成までにとても長い時間を要するという特徴があります。オーナーの好みを最大限反映させるため、エクステリアデザイン(庭などの外構工事)やインテリアデザインの細かなところまで調整をしていく必要があるからです。

まずは、注文住宅を建てるまでの全体像を把握しておきましょう。
おおまかな流れは下記のようになります。

※ここでは業者として設計事務所を選んだ場合のフローを示していますが、ハウスメーカーでも工務店でも大まかな流れは同じとなります。

  1. オーナーの住宅構想+予算設定+土地の選定
  2. 業者の選定
  3. 初回打ち合わせ
  4. 設計者によるラフプランの提示
  5. 仮契約
  6. 地盤調査
  7. 設計の詳細プラン+最終見積りの提示
  8. 本契約
  9. 建築確認申請等の行政手続き
  10. 着工(業者による監理業務)
  11. 完成と各種検査
  12. 引き渡し・アフターメンテナンス

参考:注文住宅を建てる流れは?費用や期間、失敗しないポイントを解説 – 家族の未来マップ

こうした長い期間、一緒に住宅を作り上げていくパートナーとして、業者は位置付けられます。それでは、その期間、安心して任せられる業者はどうやって選べば良いのでしょうか?

 

前提知識:設計事務所とハウスメーカー

一般的に、注文住宅を依頼する窓口となる業者は3種類あります。
設計事務所、ハウスメーカー、そして工務店です。高級注文住宅の場合、工務店に直接依頼するケースは稀ですので、この記事では解説を省略いたします。

さて、設計事務所とハウスメーカーにはどういった違いがあるのでしょうか?

結論から言えば、デザイン性に優れているのが設計事務所であり、資材の調達力や技術力に優れているのがハウスメーカーです。どちらも一長一短の魅力があり、実際のところ、私のクライアントで豪邸を建てられる方の選択は50:50の印象があります。

設計事務所

ハウスメーカー

こだわりをもつ設計者(建築士)が所属している場合が多く、デザイン性が優れており、専門性も高いことから、オーナーのセンスと合致すれば最高のパートナーになる。 ノウハウが蓄積されていて最新の研究開発の成果を利用した住宅作りが可能。高級注文住宅では、前衛的な設計でも施工できる実行力がある。さらに企業の安定性・存続性も評価できる。

 

注文住宅の業者選びのファーストステップは施工事例

高級な邸宅・豪邸を建てたいオーナーにとって、一番重要なのは、自分の理想像を実現できる業者と組めることではないでしょうか。その確認には、その業者の施工事例を見てみるのが近道となります。

数ある業者の情報に疲れてしまった時も、施工事例の写真などをうまく使ってスクリーニング(探索)すれば、効率的に探すことができるでしょう。

まずは、オーナーの理想像を具体的にイメージしてみることが大切です。どんな家にしたいかを思い浮かべ、その住宅でどんな生活をしたいか、どんな未来にしたいかまでイメージします。もちろん、家族や、その家に住まう人それぞれの意見を聞いてみるのもよいでしょう。

イメージが固まったら、インターネットで理想のイメージに近い施工事例を探してみましょう。そこでマッチした業者があれば、実際に現地の物件に足を運んで解説してもらったり、設計者と直接話してみるといいでしょう。相性の良い業者と出会うにはこの手数を惜しんではいけません。当サイトでも、多くの施工事例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

業者を選ぶ際のキーポイント

業者はプロであることを忘れてはなりません。最高の高級注文住宅を実現できるよう、パートナーである業者の能力を最大限に引き出してもらうためには、オーナーご自身と業者の関係性が重要となります。

そのため、その業者がどのような設計が得意で、どういった住宅を建てられるのか、また、どういった部分で他の建築家との違い(優位性)を持っているのかを知っておく必要があるでしょう。

以下に業者選びの際のキーとなるポイント、つまり建築家としての業者の性格について整理しておきます。業者がどんなことを考えているのか、理解するのに参考になれば幸いです。

 

1. 業者の得意分野

高級住宅といっても、業者によって、その趣はまったく異なるものとなります。所属する建築家によっては、得意なデザインや考え方、構造が違ってくるのです。実際、木造建築が得意な建築家もいれば、RC造でいくつもの賞をとっている建築家もいます。

また、光をうまく使った構造に評判があったり、モダンでシンプルな住宅が専門の建築家もいるでしょう。

オーナーが理想とする家のイメージと、ぴったりマッチするプランを提示できるような、力量を持った業者と出会いたいものです。
そのためには、何より重要になるのが、過去の実績。すでに解説したように、各業者の施工事例はいつでも無料で見られますから、ある程度の時間を割いて吟味してみることをおすすめいたします。

 

2. その土地をよく理解した業者

建築家は、ただ住宅の設計をするだけが業務ではありません。設計前に現地の調査を行うのはもちろん、着工してからも現場に赴き、設計通りの施工がなされているかの監理も行います。

そのため、業者の担当者は頻繁に現地に足を運ぶこととなります。業者選びでは、土地と業者があまり離れすぎないように配慮することも、頭の片隅に置いておきたいところです。

また、土地の気候や風土、文化をよく理解した業者であることが、オーナーにとってより価値ある住まいを実現することができるでしょう。土地をよく知っている建築家ほど、頼もしいパートナーはいません。信用できる業者選びの指標として、土地についての理解を確かめてみるのも重要な要素です。

ちなみに、資産価値を高めるデザインについては別の記事で詳しく解説していますので、さらに学びたい方はぜひご覧ください。

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最終的にどの業者にするか選ぶタイミング

業者を選ぶという意味では、上記で示した流れのうち1〜4のラフプランの提示までの間、担当者との対話を通して、オーナーの要望や意見をしっかり受け入れてくれるか、積極的に提案してくれるかなど、信頼のおける業者かどうかを判断することができます。

また、オーナーの考えている理想像と、担当者の提案内容がマッチしていて、デザインやセンスの齟齬が生じていないかといったことを確かめることで、相性を見極めたりもできるでしょう。

ラフプランの提示までは料金が発生しないか、さほど高額な設計料は発生しない業者がほとんどです。最終的な契約時までに、しっかりと建築家との相性を見極めたいものです。

 

高級住宅を依頼できる業者はおのずと限定される

この記事をご覧の多くの方は、高級な邸宅や豪邸を建てることを検討されていると思います。こうした、高級注文住宅を取り扱える、またはデザインできる能力を持つ建築家というのは、実は世界でも一握りの存在です。したがって、そうした能力や実績をもつ業者とどのように出会うかがポイントとなってきます。

高級住宅の設計は一般的な建売住居、マンションなどの設計とは大きく異なります。オーナーの理想を反映させることには変わりありませんが、高級感のあるデザインやオーナーの価値観に沿うきめ細やかな設計を行うには、平凡な業者には無いような異次元のノウハウや実経験を要します。

このサイトでは、そうした限られた信頼できる建築家との繋がりを生かし、適格な情報を提供しています。雑誌やWeb広告には載っていない、限られたオーナーだけがアクセスできる高級注文住宅専門の業者をご紹介してまいります。
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