初めての高級注文住宅のエクステリア・デザインの考え方と実践

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豪邸を建てる際に重要になるのが、邸宅の外側のデザインである、エクステリア。注文住宅の設計において、インテリアや建物の外観との調和を考えると根幹のデザインです。

しっかりと設計するのとしないのでは、同じ建物でも、見た目や生活スタイルはガラッと変わってきます。住居のデザインを引き立て、より生活がしやすく、ご近所からの羨望の眼差しを受ける高級感を引き出すために、エクステリアを考える基本的な知識を整理しておきましょう。

ゾーニングとは何か

正門からエントランスまでのアプローチ、屋外でバーベキューを楽しむバックヤード、プールなどのアメニティなど、屋外のスペースをどのようにデザインするか決めるのがゾーニング(外構設計)です。

土地の特性や敷地の面積的な制約、隣地や風景とのバランス、生活のしやすさを考えて、早い段階から検討する必要があります。

以下は代表的な外構のゾーニングの例となります。

バックヤード

屋外でのアクティビティを楽しむ中心的な場所です。
デッキなど屋内の延長で、暖炉などファイヤスペースや、テーブル、ソファを置くと安らぎの空間を屋外に作り出すことができます。
ちょっとした軽作業の作業場としても使うことも可能です。

プール

高級注文住宅には最近欠かせなくなってきたのが、プール。

自宅でレジャー気分を味わうことはもちろんですが、エクステリアの中心的なデザインとなることも。巧妙にデザインされたガーデンとプールの組み合わせは、見る人を癒して安らぎを与えます。

メインガーデン

メインガーデンは最も広い面積を占める庭。

広大な土地を生かすために、エクステリアデザインで最もキーとなるのがメインガーデンの設計。
芝生にして、子供が駆け回れるゆとりある空間にしたり、馬にまたがって散歩する庭を作るのも良いでしょう。
デッキやテラスルームからダイレクトにアクセスできるようにして、屋内の延長としてもデザインすることも。

アプローチ

正門からメインエントランスまでの道路の設計がアプローチ・デザインです。

アプローチは、外からやってきた客人の邸宅に対する印象を大幅に左右します。
道路を砂利道、コンクリートにするか、もしくはタイルを敷き詰めるかなど、デザインのバラエティは豊富です。置物や植物の細かな選び方一つで見る人の印象を大きく変える事ができます。

モーターコート(駐車スペース)

高級注文住宅では、専用のカーガレージを別棟に設けている場合があります。

お気に入りのコレクションを複数格納できるようなスペースを、道路やアプローチからアクセスがしやすい位置に設置する事で、スムーズな導線を確保する事ができ生活しやすくなります。

ゾーニング・デザインのステップ

STEP1. 道路や背景とのバランス、プライバシーの確保を考える

まず最初に行うべきなのが、邸宅を建てる土地の景色や背景となる街並み、隣地のデザインとのバランスをチェックする事です。

そうしたデザインの相性を事前に確かめておく事で、建物自体のデザインのみならずエクステリア・デザインの設計にも大きく役立つでしょう。

同時に隣地からの視線を塀作りやゾーニングによってどのようにコントロールできるか、プライバシーの観点でも観察しておきましょう。

STEP2. アプローチの取り方とデザインを決める

アプローチは邸宅の建物と接地する道路の位置関係により、配置が限定されるため、デザインの最初の方に決めておきます。

STEP3. その他のゾーニングを決める

建物の配置やアプローチ、道路、背景の景色を確認したら、そのほかのゾーニングのデザイン・配置を決定します。

STEP4. エクステリアのデザインと実際の生活の導線を突き合わせる

道路からアプローチ、モーターコートはアクセスがしやすいか。バックヤードと屋内のキッチンスペースとは行き来しやすいか。くつろぎスペースと外の隣地は近すぎないかなど、生活する上で懸念される部分は設計段階で考えておくべきでしょう。