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これからの住まいとなる注文住宅を建てるとき、将来的な売却や相続を考えた設計を考えることが多いでしょう。海外にもいくつかの物件を所有するオーナーや、ライフスタイルが変化しやすい資産家など、物件の流動性に着目している方は多いように思います。10年後、20年後、それからその先も、資産価値を維持するためにどんなことを気にして注文住宅を建てるべきでしょうか?
この記事では、売主となるオーナーの視点、買主の視点を交えつつ、実際の取引事例から資産価値を維持するために必要な考え方を整理しています。
注文住宅の資産価値を落とさない5つのポイント
実際のところ、豪邸の建設を計画している資産家では、将来的な処分や相続を考えない方も多いのが実情です。しかし、オーナーが置かれている環境はどうなるか分かりませんし、急に物件を手放す必要性に置かれる可能性は考えられます。高級志向の注文住宅であれば、多少の年月が経過していても一定の評価がされることが予想されますが、それでも資産価値の目減りは避けられません。資産を減らさないため、もしくは、将来そこに住まうオーナーのことを考えるために、建てるときに資産価値を落とさないような対策を織り込むことが、賢い選択ではないでしょうか。
注文住宅の資産価値を落とさないために、まずは以下の5つのポイントを抑えておきたいところです。
土地選び
当たり前のことですが、注文住宅は一度建ててしまうと、その土地をあとから変えるのは難しいものです。しかし、土地は物件の資産価値の多くの部分を占めると同時に、処分時の鑑定額の増減に強く影響します。最寄り駅からの距離などの交通の便や災害に対する耐性、公園や緑地・主要施設の充実度などを考慮して土地選びを行うのがポイントになります。
住宅性能
耐震性、耐久性、省エネ性で一定の基準を満たすと評価された物件は「長期優良住宅」の認定を受け、補助金、税制優遇を受けられる制度があります。長期優良住宅は行政機関に長期的に住みやすい住居と認定される制度のため、売却時の鑑定で有利に働く要素です。長期優良住宅は構造や設備、一定以上の面積、竣工後の定期的なメンテナンスなどの諸条件を満たせば認定されるものですが、審査・認定に一定の手続きを要するなど、手間・コストが発生することにも注意が必要です。
メンテナンス・リフォーム
入居後に定期的に検査やメンテナンスを受けることは資産価値の維持に直接貢献しますし、その記録を残しておけば売却時に評価価格を増加させる効果があります。大手メーカーの注文住宅の場合は、定期点検の記録を維持・管理してくれるところもあります。
住宅の付加価値
高級注文住宅は住むために必要最低限の快適性、耐震性、デザイン性などの他、日々の生活に付加価値をもたらす機能を持つことが一般的です。例えば、自家発電設備によってインフラコストをプラスマイナス・ゼロに抑える省エネ住宅や、地下シェルター・貯蔵庫機能、災害対策用の貯水機能などをもつ注文住宅も多くなってきました。こうした付加価値があれば、資産価値にプラス評価となります。
デザイン
高級注文住宅の場合は、広い間取り、くつろぐスペースの充実など、豪邸ならではの魅力を自由に設計できます。しかし、家事動線の快適さや収納のバリエーション、日光の取り込み・風通しの良さなどといったデザインの設計次第で、資産価値は大幅に変わってきます。買手や次のオーナーが自由にリデザイン・変更できるようなレイアウトにしておくと、資産価値をより高く維持できるでしょう。